ツーリズムEXPOジャパン2026

074 1300年つづく日本の終活の旅 ~西国三十三所観音巡礼~

1300年つづく日本の終活の旅 ~西国三十三所観音巡礼~

閻魔大王に選ばれた、観世音菩薩をまつる33の札所寺院を西国三十三所といいます。2府5県(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、岐阜)に広がる日本最古の巡礼道として知られ、令和元年(2019)5月に日本遺産に認定されました。

養老2年(718)、長谷寺の徳道上人は病で仮死状態となり、冥府で閻魔大王に出会います。徳道上人は閻魔大王から、世の中の悩み苦しむ人々を救うために、33の観音霊場を開くよう命じられ、33の宝印と、これら33の霊場を巡礼した者は、その功徳によって地獄に堕ちないという起請文を授かりました。現世に戻った徳道上人は、33の霊場を定め、観音信仰を広めようとしましたが、当時の人々にはなかなか受け入れられず、33の宝印を中山寺の石櫃に納めました。

約270年後、花山法皇によって観音霊場が再興されます。花山法皇は第65代天皇であり、退位後、出家し法皇となりました。那智山青岸渡寺での修行中、枕元に現れた熊野大権現から、徳道上人の定めた観音霊場を再興するようにとのお告げを受け、中山寺に納められていた33の宝印を捜し出しました。そして、圓教寺の性空上人、中山寺の弁光上人、石川寺の仏眼上人を伴い、33の観音霊場を巡礼し、観世音菩薩の功徳を世に広めました。観世音菩薩の慈悲の心は、日本人の心に脈々と受け継がれ、徳道上人と閻魔大王の出会いによって始まった西国三十三所観音巡礼は、平成31年(2018)に1300年の記念の年を迎えました。

徳道上人が閻魔大王より授かった33の宝印が、現在の御朱印のルーツといわれています。西国三十三所の御朱印は、日本最古の巡礼道の御朱印であり、閻魔大王に約束された極楽浄土への通行手形です。その昔、巡礼者は般若心経や観音経(妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五などの経典を、写経や読経といった形で各札所寺院に納め、その証として、御朱印をいただいていました。このことから、御朱印は納経印ともいわれています。御朱印は札所本尊の分身でもあります。どうぞ大切にお持ちください。


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